若者からシニアまで…「街中スナック」がオープン 世代間を超えたコミュニティー提供、「孤立」防ぐ 沖縄市中央


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20代から80代まで幅広い年代が交流する街中スナックのカウンター

 若者からシニアまで世代を超えたコミュニティーを提供する「街中スナック」が10月、沖縄市中央にオープンした。シニア層と若者の世代間交流をコンセプトにしており、築70年以上の古い商店を改装した店舗には、地元住民や商店街の店主、観光客など幅広い層が訪れ、会話を楽しんでいる。

 スナックという名称ではあるが、明るい照明と落ち着いた内装でゆったり交流できる造りになっている。店内には大型モニターが設置され、東京や京都の系列店と回線をつないで各店舗の客とも会話できる仕組みだ。

 運営するちゅらしんかの友森章肥胡(あきひこ)社長は、シニア世代と若者をつなぐ事業を通じて、自宅を訪問しての雑用代行など高齢者の生活をサポートしてきたが、新型コロナウイルスの影響で思うような活動ができなくなった。

 コロナウイルスによる外出自粛やデイサービスなどの休業による高齢者の孤独化は深刻化している。1人暮らしの高齢者も増えており、県が昨年実施した調査によると、独居高齢者世帯は前回調査比32.7%(1万6891世帯)増の6万8601世帯と急増している。コロナによる孤独・孤立問題については高齢者だけでなく、30代未満の若い世代にも広がっている。政府による実態調査が今年行われ、2万人中約4割の人が孤独感が「ある」と回答している。

 友森社長は「健康で長生きするためにも対面コミュニケーションは重要。少子高齢化、再開発などによる地域の変容といった問題の解決にもつながる地域貢献型のスポットを目指す」と話した。街中スナックの営業時間は午後6~10時。電話番号は050(3704)6871。
 (普天間伊織)