琉球新報社 
【阿嘉島＝座間味】座間味村立阿嘉幼小中学校で11月29日に全児童を対象にしたサッカー教室が開かれた。指導したのは元Jリーガーで東京都内のスポーツマネジメント会社C．DREAMS代表の西川吉英さん（44）。10年ほど前に仲間と初めて阿嘉島を訪れ、海の美しさが忘れられなかったという。2年前から再び阿嘉島に通い始め、島の住民との交流も次第に深まっていった。
西川さんは今までスポーツを通じて活動できたことに感謝し、恩返ししたいと考えていた。特に子どもの未来のために何かをしたいと常々考えており、自身の経歴を生かして、島の子どもたちにサッカーを教えることを懇意にしている住民に提案したところ、サッカー教室を開催する運びとなった。
児童らは初めは戸惑い気味だったが、丁寧な指導の下、次第にボールの扱いに慣れて、基礎練習の後に行われた西川さんとのミニゲームは大いに盛り上がった。練習後、西川さんは「自分がサッカーを始めたのは小学5年生で、ここと同じように人の少ない田舎だった。それでも夢がかなってプロになれた。サッカーだけではなく、夢にはいろいろな入り口がある。諦めないでチャレンジすれば夢はかなう」と熱く語った。さらには同じチームに所属していたカタールW杯日本代表の町野修斗選手からビデオメッセージが寄せられ、児童らはサプライズに驚いていた。
阿嘉幼小中学校の石嶺真哉校長は「プロのスポーツ選手と接する機会はほとんどない。夢に向かって努力する話を聞いたり、技術を教えてもらったりと、とても良い経験になったと思う」と話した。（村石健一通信員）
