自民党の国防議連が下地島空港の視察へ 自衛隊の使用狙う


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
下地島空港(資料写真)

 【東京】自民党国防議員連盟(衛藤征士郎会長)が2023年1月11、12の両日に沖縄県内を訪れ、宮古島市の下地島空港を視察する方向で調整していることが15日、分かった。防衛省・自衛隊は南西地域で自衛隊が使える空港や港湾を増やそうとしている。自民党内からは、特に下地島空港の使用を求める声が上がっており、今回の視察もその環境づくりにつなげる狙いがある。

 政府は11月、防衛力強化に向けて自衛隊が民間の空港や港湾を円滑に使用できるよう「特定重要拠点」に指定し、優先的に予算を措置する方針を固めた。

 下地島空港を巡っては、1971年に当時の琉球政府が民間の目的以外に使用しないとの確認書(屋良覚書)を国と交わしている。一般的に輸送機や戦闘機が円滑に離着陸できるとされる3千メートル級滑走路があるのは、県内では那覇基地(那覇空港)と下地島空港だけのため、政府や自民党内には自衛隊が利用できるようにする狙いがある。

 同議連は2020年、下地島空港の自衛隊使用を求める提言を政府に提出した経緯がある。

 宮古地域の市民団体などからは屋良覚書の順守を求める声が上がっている。(明真南斗)