加藤登紀子さんと泡盛で乾杯、名曲で魅了 「ほろ酔いコンサート」 沖縄市・音市場


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県内では10回目の「ほろ酔いコンサート」で観客を盛り上げる加藤登紀子=2日、沖縄市のミュージックタウン音市場

 シンガー・ソングライター加藤登紀子の「ほろ酔いコンサート2022」(主催・琉球新報社、ミュージックタウン音市場)が2日夜、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催された。1971年に始まった同コンサートは今回で50回目、県内では今年で10回目を迎えた。会場は満席となり、幅広い年齢層のファンが詰めかけた。加藤は来場者と一緒に泡盛を乾杯し、温かみを帯びた力強い歌声とトークで沸かせた。

 コンサートは、告井延隆(ギター・コーラス)、鬼武みゆき(ピアノ・コーラス)の演奏に乗せて「大脱走」「色即是空」で幕を開けた。加藤は「この2曲は50年前の歌。50年もひとまたぎ(のように感じる)。今日は祝うしかない。乾杯!」と音頭を取り、会場を拍手に包んだ。「愛のくらし」や「時には昔の話を」など、名曲を披露しながらトークでも魅了した。

 ステージの中盤では、事前に受け付けていた弾き語りのリクエストに応じた。加藤はアコースティックギターを手に、沖縄の名曲カバーを披露。嘉手苅林昌や普久原恒勇、上原直彦との思い出を振り返り、「芭蕉布」や「島唄」などを歌った。コロナ禍で制作した「声をあげて泣いていいですか」や大ヒット曲「知床旅情」で2部へとつないだ。

 後半には、親交が深かった「ペシャワール会」の医師、故中村哲さんとの出会いや、加藤の母が加藤へ向けて話した言葉を振り返った。平和の思いを込め5月に発売した、ウクライナ戦争で故郷を追われた人への支援チャリティーアルバムの表題曲でもある「果てなき大地の上に」を力強く歌い切った。

 クライマックスは代表曲「百万本のバラ」で盛り上げ、アンコールは「乾杯!」を披露。ゲストの琉球國祭り太鼓と「アッチャメー小」を、観客も一緒にカチャーシーを踊って締めくくった。会場から「おときさん最高!」と歓声が飛んだ。
 (田中芳)