玉城デニー知事「沖縄が標的になる事態招いてはならない」 安保3文書で政府に説明要請へ


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玉城デニー知事(資料写真)

 政府が安全保障関連3文書を閣議決定したことを受け、玉城デニー沖縄県知事は16日、「軍事力の増強による抑止力の強化がかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生ずることを懸念している」とのコメントを発表した。県内において自衛隊の体制強化などを進める方針が明記されていることから、詳細な説明や協議の機会を設けるよう政府に求める考えを示した。

 玉城知事は「米軍基地が集中しているがゆえに沖縄が攻撃目標になるなどという事態は、絶対に招いてはならない」とし、政府に周辺国との平和的な外交・対話による緊張緩和と信頼醸成への取り組みも求めた。

 沖縄の基地負担軽減を図る上では「米軍と自衛隊を併せて考える必要がある」との考えを改めて示し、米軍専用施設の7割が県内に集中する現状の早期解消を訴えた。

 アジア太平洋地域の安全保障環境が悪化しているとの言及については「県としても認識を同じくする」とした。一方で、今回の閣議決定が国会での十分な検討や国民的議論を経なかったとの認識を示し、「わが国の安全保障について、沖縄の現状を踏まえた国民的な認識と議論を深める機会にもなり得たと思えるだけに、非常に残念だ」とした。

(大嶺雅俊)