復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉12月21日「北爆のB52が墜落」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年12月21日の琉球新報1面トップは、「民社クラブ参加問題/安里委員長が離党/社大24日、中央委で対処/後任に平良書記長か」との見出しで、衆院選で当選した安里積千代議員が国会の民社クラブに加入することを決めたことで委員長を務める社大党へ離党届けを出したことを紹介している。

 沖縄の米軍に関して「戦術戦闘機連隊を設置/嘉手納基地/司令官に准将クラス」との見出しで、嘉手納基地の軍事機能強化を伝えている。

 勝連村の米軍ホワイトビーチについては「軍港(ホワイトビーチ)の全面返還を/勝連村議会」と地元議会が全面返還を求める決議を賛成多数で可決した記事も掲載している。

 ベトナム戦情勢として「B52が墜落/北爆」と、サイゴンの米軍司令部が明らかにしたところで19日の北爆でB52米戦略爆撃機とA7戦闘爆撃機が北ベトナム領内に墜落したことを伝えている。

 

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。