【識者談話】給食や食生活に格差のない環境を 喜屋武ゆりか氏(沖縄大学健康栄養学部講師)


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喜屋武ゆりか氏(沖縄大学健康栄養学部講師)

 給食には国が定めた摂取基準があるので、物価高騰に伴い給食費が値上がりした場合でも、基準に準じた給食が提供される。一方で、食材の価格を抑えるための代用品や業者との交渉など、食事計画の見直しは必須で、現場の栄養士の負担は増すばかりである。

 現在は市町村単位で、給食費の無償化や助成などの差異がある。自治体の財源の差で、子どもたちの教育環境に格差が生まれるのは望ましいことではない。

 地方創生臨時交付金などの補助金を活用し、給食費の保護者負担を減らすなどの自治体の努力は素晴らしいが、安定した財源ではないため、見通しが立たないという問題もある。

 知事も公約で学校給食費無償化を掲げているが、どこに住んでいても食生活の格差がない環境であるためには国が率先して取り組んでほしい。
 (学校給食)