那覇軍港での米軍機離着陸「事前通告を」 知念那覇市長、沖縄防衛局と交渉継続


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定例記者会見で質問に答える知念覚市長=21日、那覇市役所

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなどが海上輸送される際に米軍那覇港湾施設(那覇軍港)に離着陸する問題について、知念覚那覇市長は21日の定例記者会見で、今後1カ月程度、離着陸の事前通告の確約などを求めて沖縄防衛局と交渉を続ける考えを示した。交渉結果は何らかの形で公表するという。「確約が取れた後、実際に守られるのかというのも何年か掛けてしっかり見極める」とした。

 今後も那覇軍港へ飛来しないよう求めていくのかという質問には「これ(事前通告など)が守られるかどうかによって違ってくる。しっかり守られたら信頼関係も醸成でき、次の段階へ移るのではないか」と述べた。「那覇軍港で(離着陸を)やってほしくないというのが基本姿勢だが今の日米地位協定や5・15メモの(国側の)解釈ではやるだろう。最低限、事前に情報を得たい」と考えを説明した。

 政府が16日に閣議決定した安保関連3文書で、那覇市に駐屯する陸上自衛隊第15旅団の師団化が打ち出されたことについては「情報がなさすぎてコメントできない。どういう人員がどの程度の装備を伴って配置されるのかが見えない」と述べ、情報提供を求める考えを示した。

 情報がないまま閣議決定されたことには「唐突感は正直ある」とし、「これから自治体とのやり取りはあってしかるべきだ。与えられた条件の下でわれわれが言えることは言いたい」と述べた。
 (伊佐尚記)