戦争に反対する全県組織の立ち上げへ 「沖縄最前線化」を懸念し市民らが準備会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
安保3文書について危機感を共有する集いの参加者ら=21日、那覇市の教育福祉会館

 安保関連3文書の閣議決定とミサイル配備などで、沖縄が軍事対立の最前線となる懸念が高まる中、「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」の呼びかけで、戦争に反対する全県組織の立ち上げに向けた第1回準備会合が21日夜、那覇市の教育福祉会館で開かれた。

 会合には30人余が参加。山城博治共同代表が、戦争に反対する全県組織の結成を提案し、参加者たちは「全県的に大きなうねりをつくる必要がある」と賛意を示した。組織を広げる課題として「『抑止は必要だ』という意見が県民の中にある」「会合に若い世代が参加していない」といった点も挙げられ、若者に参加を呼びかけていくことも確認した。

 会合では、石垣島などともオンラインでつなぎ、12式地対艦誘導弾の配備が見込まれる陸上自衛隊石垣駐屯地のある石垣市から、内原英聡市議が報告した。市議会で19日に長射程ミサイル配備を容認できないとする意見書を賛成多数で可決したことを紹介し、党派を超えて住民の懸念が広がっていることを共有した。

 沖縄戦前年の10・10空襲や翌年の地上戦を経験した「9・29県民大会決議を実現させる会」会員の玉寄哲永さんは、「沖縄戦の惨状を見れば軍備強化は抑止にならない」と強調した。

 次回会合は27日夜に教育福祉会館で予定。山城さんは準備会合を重ね、全県組織を早期に発足させたい考えで、個人や団体に参加を呼びかける。全県組織で万人規模の県民大会開催や国会請願、東京集会などを目指す。 (中村万里子)