玉城デニー知事「敵基地攻撃能力、保有できない」県内への自衛隊配備増強巡り見解 沖縄


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定例記者会見で、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有について、国民的議論がなされていないとの見解を示す玉城デニー知事=23日、県庁

  玉城デニー知事は23日午前の定例会見で、安全保障関連3文書で示された敵基地攻撃能力(反撃能力)を巡り、国民的議論が尽くされていないと指摘した。玉城知事は「敵基地攻撃能力を保有できないというのがこれまでの政府、国の姿勢だと認識している」と述べ、閣議決定で能力の保有を認めた政府の姿勢を疑問視した。

「台湾有事」への懸念に対しては「軍事力の増強による抑止力の強化がかえって地域の緊張感を高め、不測の事態が生じることを非常に懸念している。米軍基地が集中してるがゆえに、沖縄がその有事の攻撃目標になることはあってはならない」と強調した。

 沖縄に米軍基地が集中する中で自衛隊の増強方針が示されていることに関連し、「独立国家である日本に対して、外国の軍隊がいつまで駐留するのかという根本的な問題がなかなか語られていないことが問題だ。日本からそのアメリカ軍を退去させていくことがあれば、専守防衛という形で自衛隊の存在は認められていいのではないか」との見解を示した。

 政府が23日午後にも閣議決定する2023年度当初予算案で、沖縄関係予算は前年度比約5億円減の2679億円となる見通しだ。玉城知事は「減額が続いてきた沖縄振興一括交付金は本年度とほぼ同水準となっており、閣議決定を注視していきたい」と述べた。航空機燃料税の軽減措置の延長が見込まれることについては「沖縄の特殊事情に鑑みて、特別のご高配を賜ったものだ」と評価した。