ニュースの振り返り モバイルプリンスの知っとくto得トーク[289]


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モバイルプリンス

 

2022年最後のりゅうPON!となりました。今年も世の中ではさまざまな出来事がありました。この時期は今年のニュースを振り返るテレビ番組なども増えてくると思います。

今年の出来事で私が一番取り上げたいのは「沖縄署騒動」です。今年1月、警棒を持った警察官がバイクの高校生と接触、高校生に眼球破裂の大けがを負わせた事件です。

この事件は警察側が当初「高校生の単独事故」と発表したことでさまざまなうわさがネットで広がり、「警察が事件をもみ消そうとしている」と怒った若者たちが沖縄署前に集結。投石をするなどの騒動となったのです。

 

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こうした流れの下、ネット上では被害に遭った高校生をバッシングする書き込みもあり、中には「無免許、盗んだバイクで暴走行為をしていた」というデマを基に「これなら警察に殴られても仕方ない」と、警察の対応を正当化するコメントも多数書き込まれていました。

 

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ニュースにコメントすることは表現の自由です【※1】。しかし表現の自由は「何を言っても許される」というものではなく「表現の責任」もセットで付いてきます。

一人一人は軽い気持ち、無責任で書き込んでも、それらが積み重なることで「信ぴょう性」が生まれ、信じて軽い気持ちで書き込む人が出てくることになります。

デマを信じてコメントを書き込んだ人たちには、情報源の訂正をしたか、被害者に対する偏見【※2】がなかったか、改めて振り返ってほしいなと思います。

 

※1 ニュースにコメントをすることは表現の自由です … 実際に被害者のいる事件に関しては、慎重にコメントしないと誰かを深く傷つける、精神的に追い詰めることがあります。過去には「あの殺人事件の犯人は家族じゃないか」などのうわさやデマがネットに書き込まれたケースもありました。

※2 被害者に対する偏見 … 断片的なニュースの情報で、「バイクに乗っている高校生はきっと悪いことをしているのだろう」と自らの偏見でデマを信じた人もいるでしょう。私たちは「こうした見た目(属性)の人はこうだろう」という、思い込みや先入観、偏見を持っています。偏見をなくすよう努力するとともに、「ここまでは事実で、ここから先は自分の思い込みかもしれない」と自分の考えのクセを客観的に分析できるかどうかも大事になります。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

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