5年に一度開催される第7回世界のウチナーンチュ大会が10月31日~11月3日に県内で実施された。新型コロナウイルスの影響で1年延期し、6年ぶりの開催が実現した。ハワイやブラジル、ペルーなど海外から県系人約1800人が参加し、行事や市町村の歓迎会で県民と交流を深め、アイデンティティーを確認した。
ビザ発給制限などで渡航が難しい国もあり、前回大会の参加者約7千人よりは規模縮小となった。直接沖縄に来られなかった人とも時間を共有するため、大会初のインターネット中継を実施し、延べ約14万人が視聴した。
前夜祭パレードには、海外13カ国26都市から約1600人が参加し、各国・各地の音楽や踊りを披露しながら国際通りを練り歩いた。沿道からは「おかえり」と声が飛び交った。
かつて1、2世の里帰りが中心だった同大会だが、最近では3、4世に世代が移り変わってきている。90歳を超える1世の参加者は子や孫と共に来沖し、つながりを次世代につなぐ様子がみられた。
自分のルーツを知ろうと情報を求める人も多く、県立図書館のルーツ調査には、大会期間の4日間だけで124件の問い合わせがあった。
「世界のウチナーンチュセンター」の県内設置を求めるシンポジウムも開かれた。
各国の県人会会長やウチナー民間大使らが参加する県人会長・ウチナー民間大使会議では、前回大会で制定された10月30日の「世界のウチナーンチュの日」について議論が交わされた。毎年沖縄関連のイベントを開催しているブラジルやハワイなどと比べ、沖縄では動きが弱く、認知度なども課題に上がった。
世代交代でウチナーンチュのアイデンティティーや文化の継承が、各国・地域に共通する課題として共有された。
(中村優希)