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「沖縄にいたから野球楽しめた」砂浜トレーニングからつかんだ夢 中日ドラ1位の仲地礼亜 <プロ野球ドラフト沖縄県勢特集>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
九州地区選手権南部九州ブロック大会・沖縄地区予選で力投する沖縄大の仲地礼亜=2022年9月12日、読谷村のオキハム読谷平和の森球場

昨年のプロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)では県出身者7人が指名された。注目の一人が、県内の大学からでもプロ野球の世界へ進めることを改めて証明してみせた中日1位指名の仲地礼亜投手(沖縄大)だ。高校卒業後は活躍の舞台をすぐ県外に求めず、沖縄にとどまったことで家族や周囲の手厚い支援を受け、自身を磨き上げてきた。エースとして負けん気の強さも備え、高みを目指す。

さわやかな笑顔が印象的な仲地だが、マウンドではエースの顔つきに変わる。「野球では(誰にも)負けたくない」。対戦相手への闘争心はもちろん、仲間にもマウンドを譲りたがらない。最速151キロの直球と決め球のスライダーを武器に試合をつくる。

高校3年時は体が細かったが、エースとしてチームを夏の県大会4強に導いた。県外大学は志望せず、二つ上の兄・玖礼(くおれ)さんの後を追うように沖縄大へ進学。体重が増えると、球威が増し変化球も多彩になった。

プロへの思いが芽生えたのは昨年、チーム初出場の全日本大学選手権だった。初戦で名城大(愛知)に敗れるも、8回を8奪三振、1失点(自責点0)の好投。手応えをつかんだ。飲食店のアルバイトを辞め、全力でトレーニングに励んだ。今年は九州大会で敗退に終わったが、プロ球団の熱視線を集め続けた。

砂浜をダッシュし下半身の強化に励む仲地礼亜=宜野湾市のトロピカルビーチ

この冬は走り込みやウエートトレーニングに注力する。1年時から砂浜トレーニングを続けており、さらに安定した下半身づくりに余念がない。中日の立浪和義監督の期待値も高い。不安と楽しみが交錯するが「やってみないと分からない」と挑戦する覚悟だ。「沖縄にいたからこそ、良い環境で好きな野球を楽しめた」。沖縄のたたき上げが大きな舞台で真の力を見せつける。

文・金良孝矢
写真・大城直也
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なかち・れいあ 2001年2月15日生まれ、読谷村出身。177センチ、83キロ。古堅南小(古堅南クラブ、南スウェルズ)―古堅中(北谷ボーイズ)―嘉手納高―沖縄大。