育成ドラフトの4人、日隈、大城、前田、盛島が抱負<プロ野球ドラフト沖縄県勢特集>


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西武から育成2位指名を受けた日隈モンテル=藍住町奥野のゆめタウン徳島(徳島新聞提供)

 7人の県出身者が指名を受けた昨年のプロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)。育成ドラフトでは、日隈モンテル外野手を西武が2位指名、大城元外野手は巨人が7位で指名。ソフトバンクは前田純投手を10位、盛島稜大捕手を14位で指名した。迎える球春へ。それぞれが新たな舞台での第一歩を踏み出す。

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日隈 兄の思いも背負って/西武育成2位

 西武から育成2位指名を受けた日隈モンテル。兄のジュリアスさんを追い掛けるように幼少期から野球を始め、憧れのプロの舞台へ一歩を踏み出した。「足の速さや守備範囲の広さが自分の持ち味」と身体能力の高さを生かしたプレーで勝負する。

 四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスで投手から野手への変更という大きな決断をし「結果的にそれが良かった」と言う。「呼ばれなければ野球はこれで最後と決めていた」と覚悟をもってドラフトに臨んでいた。  兄はヤクルトに在籍した5年間、けがもあり、1軍でプレーする機会に恵まれなかった。モンテルは「兄の思いも背負って、まずは1軍に上がることを目標にしたい」と決意を込めた。  

(大城三太、写真は徳島新聞提供) 

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 ひぐま・もんてる 2000年3月18日生まれ、北谷町出身。186センチ、90キロの右投げ右打ち。浜川小(浜川ジャイアンツ)―桑江中―金光大阪高―OBC高島―琉球ブルーオーシャンズ―徳島インディゴソックス。

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大城 強肩強打、光るセンス/巨人育成7位

大城元

 「緊張もあるが、わくわくの方が大きい」。巨人育成ドラフト7位指名を受けた大城元(KBC未来高)は、新しい環境への挑戦に意欲的だ。  高校では直球に力のあるエース、リードオフマンとして活躍した。打撃力を評価され外野手として指名されたが、その道へ進む覚悟はできている。

 プロ入りを意識したのは2年時。地元が同じで長年共にプレーしてきた松竹嬉竜投手が、プロ志望届を出すも指名漏れとなり「今度はお前が行けよ」と託された。先輩の思いも胸にプロへ挑戦する。

 広角に長打を飛ばせる打撃センスと、投手として鍛えた強肩が魅力だ。

 野球人口を増やす野心もあり「子どもたちが憧れる選手になりたい」と目標は明確だ。

 (金良孝矢)

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 おおしろ・げん 2004年7月12日生まれ、那覇市出身。180センチ、78キロの右投げ右打ち。上間小(オール上間)―石田中―KBC未来高。

 

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前田 制球力で打者翻弄/ソフトB育成10位

前田純(日本文理大提供)

 小学校から夢見ていたプロになるため、泥臭く野球を続けてきた左腕が夢の舞台へ上がる。前田純(大分・日本文理大)は美東中、中部商高ではベンチに入れなかったが、大学でエースとして急成長。ソフトバンクから育成ドラフト10位指名を受け「支配下で先発ローテーションに入れるよう頑張りたい」と息巻く。

 高身長から投げ下ろす直球は最速144キロ。制球力を武器に、変化球で緩急を付け打者を惑わす。

 大学で身長が4センチ伸び芯が太くなった。体の使い方を学び、球速が十数キロも増した。精神面でも成長し、今年は全日本大学選手権に出場してチームを引っ張った。「一つ一つ、着実に積み重ねていきたい」と泥臭い姿勢はこれからも変わらない。

(金良孝矢、写真は日本文理大提供)

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 まえだ・じゅん 2000年6月4日生まれ、沖縄市出身。187センチ、85キロの左投げ左打ち。高原小(与儀ファイターズ)―美東中―中部商高―日本文理大。

 

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盛島 不屈の心、正捕手へ/ソフトB育成14位

盛島稜大

 強肩、強打の大型捕手がプロの世界へこぎ出す。興南高で捕手・4番打者として活躍した盛島稜大は、ソフトバンクの育成ドラフト14位指名に「ここからがスタート」と気合を入れる。宮古島出身。小さい頃からよく聞いていた、不屈を意味する「アララガマ」の精神を大切にし、目標の正捕手をつかみにいく。

 1年時から主軸を務め、強気のフルスイングが持ち味だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2022年春の県大会は泣く泣く辞退するも、夏の県大会で優勝し、甲子園の舞台にも立った。

 不振に悩むこともあったが、不屈の精神で持ち直した。「いろんな人に夢や勇気を与えられる選手になりたい」。プロ野球選手として、今度は感動を届ける番だ。
 (金良孝矢)
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 もりしま・りょうた 2004年5月27日生まれ、宮古島市出身。186センチ、90キロの右投げ右打ち。城辺小(城辺ベースボールクラブ)―鏡原中―興南高。