成人式、何と呼ぶ? 「つどい」「ハートフルセレモニー」…多様に 18歳引き下げで沖縄県内39市町村変更


社会
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前年度までの「成人式」資料と本年度の「はたちの記念式典」資料を手に「先輩の物を参考にできない」と話す上原大尚さん(左)と宮城桃夢さん=21日、那覇市の田原自治会館

 成人を祝う式典として親しまれてきた「成人式」だが、2022年4月に成人年齢が18歳へと引き下げられたことに伴い、その名称は消えつつある。12月上旬に本紙が調査した結果、県内全ての市町村が18歳ではなく、20歳を祝う式典を開催予定だ。39の市町村が「成人式」の名称をやめ、「二十歳のつどい」「はたちの記念式典」などと工夫している。名称変更で消えゆく「成人式」に、寂しさや戸惑いの声も聞こえる。

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 南城市は「南城市二十歳のハートフルセレモニー」という名称に変更した。市がハートの地形であることから「南城市らしい名前をつけたい」との思いで決めた。

 那覇市は「はたちの記念式典」へと変更した。市の教育委員会生涯学習課の担当者によると、20歳を迎える人の保護者や親族から式典の対象年齢などの問い合わせも多かったという。「対象が20歳ということが伝わる名称にした」と経緯を話した。市のホームページでは「成人式」でも検索できるよう「はたちの記念式典(成人式)」と表示に工夫を加える。

 那覇市金城中校区の上原大尚(ひろなお)実行委員長(20)と宮城桃夢(らむ)副委員長(20)は「先輩の使ってきた資料を参考にできない」と困り顔だ。式典対象者に送る案内はがきは前年度を参考にして作ったが、配布前に市に確認したところ「成人式」を「はたちの記念式典」に、「新成人」は「20歳を迎える人」に変更するよう指摘があったという。

 事務作業も「ひと手間増えた」と上原さんは語る。さらに式当日に使う看板の準備では、習字が得意な同級生に文字を依頼したものの、「見本がないから大変だと思う」と話す。

 久しぶりに顔を合わせる機会でもあるため、20歳で式典を行う方が「就職や大学・県外のことなどいろんな話ができる」と宮城さんは心待ちにしている。
 (金盛文香まとめ)


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