疫病と戦争 克服するには 増田健太(北部報道グループ)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

written by 増田健太(北部報道グループ)

3月上旬に撤去されるパラソル通りのパラソル付きテーブルやいす=2月10日、那覇市牧志

 県内初の高病原性鳥インフルエンザが発生し、のどかな金武町の緑地が慌ただしくなった。いち早く専門家が入り、また多くの職員が応援に駆け付け、手順に従って黙々と作業を進めていく姿が印象的だった。

 1年を振り返ってみても、新型コロナウイルス感染症に加え、ウクライナ戦争が始まり、人類は疫病と戦争をいまだ克服できていない。

 そのような年末に名桜大学(名護市)を取材で訪ねると、屋比久浩名誉教授が進歩ということについて話されていた。「戦争が続き、いまだに人は進歩していない、と思わされるが、名桜のモットーは平和・自由・進歩だ。卒業生の活躍があちこちに目立ち、名桜の価値が感じられる」という。

 大学周辺ややんばるの各地を歩いていると、公共施設などで黙々と勉強をする学生・生徒の姿が見られる。ゆくゆくは進学・就職し、専門性を身に付け、社会で活躍するのだと思う。

 今できることをそれぞれの持ち場で一歩一歩着実に行う。身近にも世界にも問題は尽きないが、そうするしかないような気がする。若い人たちの姿からは希望が感じられる。

(金武町、宜野座村、恩納村、伊是名村、伊平屋村担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。