名護が9年ぶり初戦勝利 近大和歌山に22-5 鍛えた力で圧倒 全国高校ラグビー


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近大和歌山―名護 後半13分、相手を押し込む名護のモール。ボールを持つHO金城柊馬が左中間へトライを挙げた=27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場(金良孝矢撮影)

 第102回全国高校ラグビー大会は27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕し、1回戦8試合を行った。2年ぶり20度目の出場となった沖縄代表の名護は、2年連続4度目出場の近大和歌山を22―5で下した。名護の初戦勝利は2013年大会以来9年ぶり。花園での同校の通算成績を10勝19敗とした。2回戦は30日午前9時半から、Bシードの中部大春日丘(愛知)とぶつかる。1回戦は他に、国学院久我山(東京第1)や岐阜工、大分東明なども勝ち、2回戦へ進んだ。対戦相手の人数不足のため予選を1試合も戦わず代表となった倉吉東(鳥取)は高鍋(宮崎)に0―66で敗れた。28日に1回戦の残り11試合を実施。選抜大会王者で初優勝を狙う報徳学園(兵庫)や、2連覇を目指す東海大大阪仰星(大阪第3)などシード校は30日の2回戦から登場する。

 名護がこれまで鍛えてきた力で相手を押し切った。試合の立ち上がりは緊張でミスがあったものの、持ち前の守備力で徐々にペースをつかむ。後半はFW陣を中心に、2度も相手陣地のラインアウトからモールを組んでトライにつなげるパワーを見せつけた。

 横にスライドしながら前へ出る防御術を生かし、相手へプレッシャーを与え続けた。相手の攻撃の前半15分ごろ、自陣10メートルでHO金城柊馬がタックルし、ターンオーバーを誘う。2年生FB宮里快一らが相手陣地に切り込み、最後はFL新垣玲太(れふと)がトライを決めた。

 攻撃のきっかけとなった金城柊は「今まで頑張ってきた練習の成果が、良い感じで出せた」と手応えを語る。金城柊は後半のモールでボールを運び、2度のトライも挙げた。

 昨年の県予選敗退の悔しさをバネに、これまで重量挙げやウエートトレーニングなどで体を鍛えてきたことが成果につながっている。体幹や瞬発力が向上したというナンバー8比嘉礼主将。次戦は強豪が控えるが「まだまだいける。ミスを修正し、自分たちの色を出していきたい」と血気盛んだ。
 (金良孝矢)

相手の隙逃さず SO安仁屋先制

 SO安仁屋武蔵副主将が前半12分に先制パンチのトライを右中間へ沈め、チームに勢いをもたらした。序盤でボールが手に付かず2度の好機を逃した直後でも、司令塔は「一つ目のトライを取れば焦りや浮き足立つ状況がなくなると思った」と冷静だった。

 相手陣地の左ラックからSH玉城幸侑(こう)のパスを受けて右へ展開。「内も外も空いていて、狙って一気に走った」と隙を逃さず、3度目の好機をものにした。

 双子の兄でCTBの虎次郎とも共にピッチを駆け回り、相手を翻弄(ほんろう)した。FW陣だけでなく、当たり負けしない体をつくってきたBK陣が、これからもピッチをかき回す。 (金良孝矢)