年末の那覇空港 保安検査で1時間要する便も 国際線に長蛇の列 路線再開で人手が追い付かず


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国際線の保安検査場へ並ぶ乗客ら=28日、那覇空港(大城直也撮影)

 年末年始を迎えて航空路線の需要が活発になる中、沖縄・那覇空港国際線の保安検査場前には長蛇の列ができている。便の多い時間帯には保安検査を終えるまでに1時間以上を要することもある。国際線の路線再開が急ピッチで進み搭乗者が増えているところに、検査スタッフの人員不足が重なっている。

 那覇空港の国際線は、新型コロナ禍により2020年3月に全便運休したが、22年10月ごろから運航再開が相次いでいる。現在、台湾、香港、韓国と那覇空港を結ぶ便が合計週69便運航している。

 保安検査は原則として就航する航空会社が行う。那覇空港でも国内線では各航空会社が担当している。

 国際線は、就航する航空会社でつくる那覇空港国際線連絡会(AOC)が、保安検査業務を警備会社に委託している。関係者によると、コロナ禍で離職者が増え、スタッフが減少している。

 業務を円滑にこなせるようになるまでは半年~1年程度かかるため、現場は深刻な人手不足に頭を悩ませている。保安検査場での遅れから、航空機の出発が遅れることもあるという。

 28日も、保安検査場前には長い列ができていた。三つある検査レーンは最大でも二つしか開いていなかった。空港側は今後、スマートレーンの導入対応など改善に向けて取り組むとしている。ただ、航空関係者からは「1月下旬の春節の旅行需要に間に合わないのではないか」とする声も挙がっている。

 29日以降は国内線の混雑も予想される。航空各社は「1時間半~2時間前の早めの空港への到着を心がけてほしい」と呼び掛けた。

(與那覇智早)