沖縄の大麻摘発10年で7倍 最多153人「SNS介し、若者が興味本位で」 沖縄県警22年1~11月末まとめ


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 2022年1月~11月末の沖縄県警による大麻取締法違反の摘発者は153人(暫定値)となり、過去10年で最多となることが、28日までに県警のまとめで分かった。149人で最多だった前年を11月末時点で4人上回った。摘発者の多くは若年層だという。県警関係者は「県内では若者を中心にまん延状態にある」と指摘する。

 県警組織犯罪対策課によると、11月末までの薬物事犯の摘発者は187人。このうち覚醒剤が20人、麻薬等は14人、大麻は153人に上り、薬物事犯全体の8割超に及ぶ。同法違反による12年の摘発者は22人で、10年連続で増加、約7倍にまで達した。また、栽培されていた大麻草の押収量は357株(11月末時点)に上り、過去10年で最多。7月にはうるま市石川のアパートで大麻草310株を栽培していたとして、40代の男が逮捕された。

 大麻を巡っては、本島中部の路上で5月、バイクの荷物入れの中に微量の大麻を隠し持っていたとして、同法違反容疑で男子高校生(当時16)が逮捕された。8月には沖縄市内でパンツの中に乾燥大麻を隠し持っていた男子大学生(同22)が逮捕されるなど、10代~20代の若年層の摘発が相次いでいる。県警関係者は「摘発者の多くがSNSを介して大麻を取引し、年齢や性別は不問。若年者が興味本位で手を出し、大きな後悔につながった事例も少なくない」と懸念を示す。

 県警は今年4月、薬物銃器・国際犯罪対策室を設置した。末端乱用者や密輸密売組織の摘発強化、青少年に対する啓発活動を実施するなどし、引き続き総合的な対策を講じていくとしている。

(高辻浩之)


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