インフル流行の兆し 沖縄県の定点報告 2年9カ月ぶり


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 県は28日、県内のインフルエンザ定点報告数が、2022年の第51週(12月19~25日)で2・91人(報告数163人)となり、流行の兆しの指標とされる1・00人を超えたと発表した。インフルエンザは新型コロナウイルスの流行以後は激減していたが、2020年第12週(3月16~22日)以来、約2年9カ月ぶりに定点報告が1を超えた。

 県内の定点報告医療機関は56カ所。第51週の地域別では中部保健所が5・78人と最多で、続いて那覇市保健所3・33人、南部保健所1・29人、八重山保健所0・33人だった。北部や宮古の保健所からの報告はない。

 定点医療機関に小児科が含まれるため、年齢別では5~9歳が52人と最多で、続いて1~4歳が31人、10~14歳が21人と子ども世代が目立つ。県教育委員会保健体育課によると12月以降の学級閉鎖は、中部地区の小学校で2学級、北部の特別支援学校で1学級あったという。

 一方で、親世代の30代16人、40代11人も多く、県は家庭内感染による拡大も危惧している。

 県内の感染者は11月中旬から目立ち始め、特に第51週の163人は第50週(12~18日)の45人と比べ、3倍以上も増加している。

 そのため、県ワクチン・検査推進課は、感染対策や「3密」回避、予防接種などを呼びかけている。全国的に拡大傾向にあるが、久しぶりの流行のため、今度の感染状況はまだ見通せないという。

 インフルエンザの型別ではA型が159人(97・5%)、B型2人(1・2%)不明2人(1・2%)だった。
 (嘉陽拓也)