復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉12月30日「沖大存続の見通し立たず」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年12月30日の琉球新報1面トップは、「平年度、5千億円以上の減税/基礎控除引き上げ/自民税制案、『土地税制』は越年」との見出しで、自民の税制調査会が1973年度の税制改正大綱を決定したとの記事を掲載。会社員の給与所得で低額控除引き上げなどの方針が決まったことなどを紹介している。

 文部省が沖縄大学について沖縄国際大学に統合という方針を出して、沖縄側では沖縄大の存続を求める声が上がっていることに関連して、上京中の屋良朝苗知事が政府折衝した内容について「沖大存続の見通し立たず」との見出しで報じている。屋良知事の政府折衝に関連して「厳しい大藏査定/屋良知事帰任/海洋博、復活要求で打開」と、海洋博関連事業の復活折衝に向けた見通しを紹介している。

 基地従業員でつくる全軍労の大会が開かれ「委員長に友寄氏/2カ月ぶり、執行体制確立」との見出しで、ズケラン支部の友寄信助氏が新たな委員長に選出されたことを伝えている。

 1975年開催の沖縄国際海洋博覧会に向けて「米ソなど15カ国/海洋博への参加を表明」との見出しで、参加国の表明が上がってきていることを紹介している。

 国際情勢では「全世界に北爆非難の波/米商品ボイコットへ」とベトナム戦争での米軍の北爆に対して世界から非難の声が上がっているとの記事を掲載している。

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。