家族による高齢者虐待206件、最多は「息子から」44% 沖縄県内・21年度 施設従事者からは7件


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 沖縄県高齢者福祉介護課は23日、2021年度の高齢者虐待の状況を発表した。養護者(家族や親族)による虐待は206件あり、20年度と比べ10件減少した。介護などの施設従事者による虐待は7件で、20年度と同数だった。

 養護者から虐待を受けた高齢者は女性156人、男性54人の計210人。虐待の種別(複数)は「身体的虐待」が141件(67.1%)と最も多かった。「心理的虐待」は105件(50%)、「介護等放棄」と「経済的虐待」は28件(13.3%)、「性的虐待」は1件(0.5%)だった。

 虐待者の続柄は息子が97人(44.5%)で最多。次いで夫54人(24.8%)、娘28人(12.8%)、妻14人(6.4%)の順だった。

 虐待があった施設は介護付有料老人ホーム4件、特別養護老人ホーム2件、通所介護1件。虐待の発生要因(複数回答)は、最多の7件に「業務環境変化への対応が不十分」「チームケア体制.連携体制が不十分」「虐待防止や身体拘束廃止に向けた取り組みが不十分」「職員研修の機会や体制が不十分」などが挙げられた。
 (稲福政俊)