がん患者は「かわいそうな人」ではなく「頑張っている人」 沖縄がん教育サポートセンターの徳元代表、那覇の金城中で特別授業


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特別授業で自身のがん体験を語る徳元亮太さん=2日、那覇市の金城中学校

 日本人の2人に1人がかかるとされる「がん」の実態をより知ってもらおうと、那覇市の金城中学校2年1組と2組で2日、がん体験者による特別授業があった。沖縄がん教育サポートセンターの徳元亮太代表(35)=豊見城市=が自身の体験を踏まえ「がん患者は決してかわいそうな人ではない。『克服しようと頑張っている人』と見てほしい」などと呼びかけると、生徒らは熱心に聞き入っていた。

 同センターは10月に発足し、今回初めて学校の外部講師を務めた。

 徳元さんは2年前、甲状腺にがんが見つかった。幼い子ども2人を思い「頭が真っ白になった」。誰にも打ち明けられず、約1週間、眠れない夜を過ごしたという。がん発見から手術、職場復帰、回復までを振り返りながら「がんの人が社会復帰するためには、周囲の配慮や手助けが必要」「予防と早期発見でがんのリスクは低減できる。自分に何ができるか考えてほしい」などと語りかけた。

 がんの体験談を初めて聞いた1組の生徒は「がんになった人も普通に過ごすことができると知った。早期発見と治療が大事だと、家族や友達に伝えたい」と話していた。