野生のウズラ危機 運転に注意呼び掛け 伊江村


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車と衝突したとみられるウズラ(右)と車輪の痕を残してぺちゃんこになったウズラ=10月19日、伊江村川平区の宿「伊江島ゲストハウス」

 【伊江】戦前から伊江島に生息する「野生のウズラ」が絶滅の危機にさらされている。約10年前からウズラの保護活動を続けている住民の仲井間堅仁さん(73)は「保護施設を造らなければ、絶滅は目の前。保護施設は絶対に必要だ」と訴え、ドライバーには「気を付けて車を走らせてほしい」と呼び掛けている。

 10月19日の午前11時ごろ、仲井間さんが島の西側に位置する伊江島補助飛行場辺りを通り掛かると、車道に倒れている1羽のウズラを見つけた。近づくと、車と衝突した形跡があり、既に息絶えていた。手に取ると体はまだ温かかった。
 仲井間さんは「またか」と憤った。約3カ月前にもほぼ同じ場所で、車に何度もひかれて車輪の跡が残っている状態のウズラを見つけている。体は押しつぶされて、ぺちゃんこになっていた。被害はそれだけではない。車道を横断しているウズラをカラスや渡り鳥、猫がくわえる光景も目の当たりにしているという。
 仲井間さんは毎年春先になると、約8千坪(約2万6400平方メートル)の私有地にヒマワリ畑を作り、花を咲かせている。観光客らの目を楽しませる目的でもあるが、実はウズラのすみかとしてヒマワリ畑を作り、保護活動を続けている。
 仲井間さんは「昔はよく、親子数羽で一列に並んで歩いている姿が見られたが、ここ数年は1羽だけで歩く姿を見掛けることが多くなった。このままでは絶滅してしまう。みんなで守りましょう」と訴えた。
(中川廣江通信員)