「人の持つ力強さを全身で表現」主役キトリの友人役、渡久地真理子さん〈バレエ「ドン・キホーテ」出演者インタビュー〉㊤

　28、29の両日に、沖縄市民会館大ホールで開催する琉球新報創刊130年記念バレエ「ドン・キホーテ（全3幕）」の出演者に話を聞く。全3回。沖縄県出身者で現在は県外を拠点に活躍するバレエダンサーの渡久地真理子、新垣拓、昂師吏功（たかしりく）が本公演への意気込みを語る。（田中芳）

　バレエを始めたのは8歳の頃。姉の舞子、円香の影響を受け、南條喜久子の下で研さんを積んだ。2016年、日本バレエ協会本部作品「卒業舞踏会」の出演を機に東京に拠点を移し現在はフリーランスだ。

　渡久地は「表現の幅を広げるために、経験のない事への挑戦を常に心がけている。バレエも動きの一つ一つに意味があり、それがきちんと観客に伝わるよう丁寧に踊りたい」と力を込める。

　昨年1月以来の再演となる今回の「ドン・キホーテ」では主役キトリの友人役を担う。渡久地は「太陽と青空、踊りの好きな人々など、沖縄ともリンクする事が多いので、初めて鑑賞する方にも楽しんでもらえる明るい作品だと思う」と魅力を語る。「人の持つ力強さやエネルギーを全身で表現し届けたい」と意気込みを語った。「地元沖縄での舞台は一番緊張するが、より気持ちが入る。地元で踊れるのは特別なことで、大切な舞台にしたい」と目を輝かせた。

渡久地真理子　沖縄市出身。8歳からバレエを学び南條喜久子に師事。2012年に全日本バレエ・コンクールでシニア部門3位入賞。同年、キーロフ・アカデミー・オブ・バレエ米国ワシントン校に留学。県内外のバレエ公演に出演し、ソリストで活躍する。20年、ミュージカル「アナスタシア」日本初演キャストに選ばれ、オデットを演じた。