沖縄、健康保険料の減算可否の瀬戸際…24年度から適用外の可能性も 健診や受診向上がカギ


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 健康保険料率の決定には、全国の支部が健康増進や医療費削減の取り組みを競うインセンティブ制度が設けられている。五つの指標で評価し、総合成績の上位23支部が保険料率を引き下げられる仕組みだ。沖縄の2021年度の順位は18位で、23年度の保険料が0・02%減算されることになった。だが、24年度反映分(22年度実績)から制度が見直され、恩恵を受けられるのは15位内になる。沖縄は瀬戸際に立たされている。

 指標は(1)特定健診実施率(2)保健指導実施率(3)保健指導対象者の減少率(4)受診勧奨対象者の受診率(5)後発医薬品使用割合―の五つだ。その年度の実績は2年後の保険料率に反映される。

 沖縄の総合順位は18年度が2位、19年度が7位、20年度が10位、21年度が18位と、年々下落している。五つの指標のうち、後発医薬品の使用割合と特定保健指導の実施率の二つは上位だが、特定健診の実施率や、要治療者の医療機関受診率などが低い。順位を上げるには、一人一人が健診を受け、異常が見つかれば医療機関を受診するという取り組みが鍵を握る。

 健康保険料は労使で折半するため、個人の健康維持が労働者にとっても企業にとっても利益をもたらす。

 全国保険協会沖縄支部の宮里博史支部長は、12日に開かれた評議会で「健康を維持して医療費を抑制すると、余分な負担をせずにすむ。健康が大きな経済効果をもたらす」と強調し、インセンティブ範囲内を維持する取り組みの必要性を訴えた。
 (稲福政俊)