「品を忘れず踊りたい」闘牛士役など演じる昂師吏功さん〈バレエ「ドン・キホーテ」出演者インタビュー〉㊦


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闘牛士役などを演じる昂師吏功

 バレエを習っていた姉の影響もあり、小学校低学年の頃、長崎佐世に師事し技術を磨いた。2015年に米ニューヨークで開催された世界トップレベルのバレエ国際コンクール「ユースアメリカグランプリ」(YAGP)のシニア部門に出場。

 プロダンサーへの登竜門のNBA全国バレエコンクールでの上位入賞を機に、17歳で上京。DUOバレエスタジオに入所し、多くの男性バレエダンサーと出会い刺激を受けた。昂師は「運動神経に任せて踊ってしまっていた部分があったが、理論を構築しながら考え抜いたバレエを見せることを意識するようになった」と振り返る。

 現在は谷桃子バレエ団に所属。今回の出演には「原点のスタジオで恩返ししたいとずっと思っていたのですごくうれしい」と出演への喜びを語る。全幕を通して闘牛士役などを担う。「闘牛士は街の憧れの存在で品位のある役柄。コメディー要素も含まれた作品だが、品を忘れないように踊りたい」と語る。「地元沖縄で、日本の各バレエ団で活躍するダンサーと舞台に立てることを楽しみにしている」と笑顔で話した。

(田中芳)


 2005年、長崎佐世に師事。第4回琉球新報国際バレエコンクールのクラシックバレエジュニアAの部で1位に輝き、県知事賞を受賞。その後、バレエスタジオDUOに入所、田中洋子に師事。15、16年のNBA全国バレエコンクール高校男子の部で上位入賞を果たす。17年、プリンシパルコンペティション総合グランプリ受賞。18~22年に東京バレエ団、現在は谷桃子バレエ団に所属。

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 「ドン・キホーテ」(琉球新報社主催)は28日午後5時、29日午後3時の計2回、沖縄市民会館大ホールで上演する。入場料(全席指定)は前売り券S席7千円、A席5千円(当日千円増し)。問い合わせは琉球新報社広告事業局、電話098(865)5255。