部活動は安心安全で楽しい場所であるか 高校生自身がビジョン策定へ議論 ハラスメント防止へ指導者の意識改革求める声も


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県高校生部活動ビジョンを誰に向けて発信するかを話し合う生徒ら=13日、沖縄市のコザ高校

 部活動の主人公である生徒自身が、部活動のあるべき姿や目指す方向性を協議する第2回高校生検討委員会(沖縄県教育庁主管)が13日、沖縄市のコザ高校で開かれた。委員の生徒21人が出席し、策定予定の県高校生部活動ビジョン(仮称)を、指導者や学校など、どこに向けて発信するのかについて話し合った。よりよい部活動にしていくため、指導者に向けてメッセージを出すべきだとの声が多く上がった。

 前回に続き、沖縄大の石原端子准教授が進行役を務めた。生徒たちは所属している部活動が「安心安全で楽しい場所であるか」を念頭に、悩みや困りごとなどを書き出し、改めてグループで共有。活動時間が長いことや短いこと、勉強との両立のほか、「先生からの言葉に少しとげがある」など指導者との関係についての意見もあった。

 暴力や暴言、ハラスメントのない部活動を目指し、生徒たちは最終的に、県高校生部活動ビジョン(仮称)を策定する。後半は、ビジョンを誰に向けたメッセージにするか、優先順位を話し合った。あるグループは(1)指導者(2)学校(3)部員―と順位を付けた。その理由に「指導者の意識が変わらなければハラスメントはなくならない。学校ぐるみで進める必要もあり、部員も部活動の実態を外に伝えていくことが重要だと考えた」と強調した。各意見を踏まえ、次回から具体的な発信相手を絞り込む方針。

 委員の1人、コザ高2年の生徒は、グループ内の議論で、ビジョンを最も伝えたい相手に「部員と指導者」を選んだといい「ハラスメントゼロに向けて、当事者になり得る両方にメッセージを伝えたいと考えた。難しい内容の議論だったが、お互いに意見を補い合えて良かった」と語った。

 参加校が本島北部から南部と広範囲にわたるため、今回から中部地区にあるコザ高校で開催した。今月17日に第3回、26日に第4回検討委を同校で開き、ビジョンの詳しい内容を議論する。2月に最終決定してまとめたビジョンを県教育長に手交する。

(吉田早希)