先生が「性や恋愛」「育児や介護」語る 渡嘉敷中の「小さな学校の大きな挑戦」とは 沖縄


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赤ちゃん人形を抱っこして洗濯物干しに挑戦する生徒=12月21日、渡嘉敷小中学校

 【渡嘉敷】渡嘉敷中学校でこのほど、全生徒33人を対象に男性の育休・親の介護・性にまつわる講座が開催された。~しゃべっちゃお!「カフェテリア式性教育」~と題して、小人数で「人生・性・恋愛」などさまざまなテーマについて学び、考えを深めた。講師は教師が務めた。

 カフェテリア式とは、生徒が自分で受けたい講座を選択して受講する学習方法。講座は(1)男性の育休とは?(子育て)(2)母親がいなくなるということ(介護)(3)男子にも知ってほしい!(生理)(4)人の受精(奇跡の命)(5)お母さんの1日―の5講座。先生たちの一人の身近な大人としての経験談を交えた話に生徒たちは、真剣に耳を傾けていた。

 男性の育休の講座では現在、3人の子育て中の上間達也教諭が担当し、「仕事と育児の両立」について説き、生徒は実際に4キロの赤ちゃん人形を抱っこして洗濯物干しなどを体験した。グループ別発表で生徒は「日本も育児休業の取得が毎年上昇しているので結婚しても率先してやりたい」と発表した。

 生理の講座を受講した生徒は「初めて知ることばかり。大人になって女性の生理に気遣いし、女性を大切にしたい」とまとめを発表した。担当した先生方も一人一人感想を語った。

 企画した比嘉雅代養護教諭は「若年層の妊娠や出産、ヤングケアラーなどが県内で問題となっているが、身近な大人に相談してもいいと感じてほしくて初めて企画実施した。小さな学校の大きな挑戦でもあったが成功して良かった」と声を弾ませた。

(米田英明通信員)