卓球・花木(男子)熊田(女子)が頂点 6連覇に安堵の花木、実力発揮し初優勝の熊田 タイムス杯個人選手権


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 卓球の第63回タイムス杯争奪総合個人選手権大会が14、15の両日、うるま市石川体育館で行われた。男子決勝は花木誠弥(琉球レオフォルテ)が4―0で伊佐真旺(同)を下し、6連覇を達成した。女子決勝は熊田陽花(琉球レオフォルテJr)が4―0で大城晏菜(心成クラブ)を破って初優勝した。

 卓球一家、花木家の次男、誠弥(琉球レオフォルテ)が6連覇を達成した。「勝って当たり前と思われているし、みんな全力で向かってくる。優勝できてほっとした」と安堵(あんど)の表情だった。「父(友明)の15連覇に並ぶのは難しいと思うが、少しでも近づけたら」と笑う。

 決勝の相手は昨年11月の全日本選手権県予選で敗れた伊佐真旺。普段は先んじて攻めるが「無理に打ち返すのではなく、つなぎながらチャンスをうかがって、しのごうと思った」とラリーに持ち込み、甘い球狙いで強打を放った。「結果的にいい緩急をつけることができた」と完勝だった。

 最大の難所は準々決勝の田坂優太郎戦だった。2ゲームを先取され、3ゲーム目も劣勢の展開。「5―9まで追い込まれ、少し諦めかけた」と明かす。「それまでは、攻めて打った球が全然入らなかった。回転数を増やしてボールをコントロールし、安定性重視に切り替えた」と作戦変更がぴたっとはまった。「逆に相手のミスを誘えた」と12―10で競り勝ち、残り2ゲームは圧倒した。

 29歳の王者は「しんどかったが、メンタルが強くなった」と苦笑いしつつ、飾らない表情を見せた。
 (大城三太)

抜きんでた実力発揮 初V熊田

子決勝 激しく打ち合う琉球レオフォルテJrの熊田陽花

 熊田陽花(はるか)が抜きんでた実力を発揮し、初優勝をつかんだ。「父と母、姉も優勝しているこの大会でやっと勝てた」と喜んだ。

 時間を費やし練習したバックが1回戦では不発だった。「ミスしてもいいから、しっかり打とう」と気持ちを切り替え、準々決勝から徐々に決まり始め、得点を狙う武器となった。決勝はストレート勝ち。台の手前、奥、左右と狙いすましてコースを突き、球の速さに緩急をつけた。リードされている場面でも冷静さを失わず、巻き返した。

 知念中2年生。「ライバルは姉」とその姿を追い、姉の陽茉梨(ひまり)と同じ、埼玉・正智深谷高に進学予定だ。

 23日に開幕する全日本選手権大会ジュニア、一般のシングルス、一般ダブルスに出場する。

 「後悔のないように自分の力を出し切りたい」と全国の壁に挑む。
 (大城三太)