飲酒運転根絶へ勇気を 沖縄市で県民大会 経験者、家族が訴え


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
飲酒運転常習者だった過去を語る県断酒連合会の村吉政秀次長

 【沖縄】飲酒運転根絶県民大会(主催・県、県議会、県警)が10月27日、沖縄市民会館で開かれた。大会では長年飲酒運転を続けた県断酒連合会の村吉政秀次長(53)と、家族が飲酒運転常習者だった同連合会源河絆の会の當真優美さん(26)が登壇した。飲酒運転常習者とその家族の立場で飲酒運転根絶を訴えた。

家族の立場で飲酒運転の恐ろしさを語る県断酒連合会源河絆の会の當真優美さん=10月27日、沖縄市民会館

 村吉次長は10代から飲酒を始め、20代になるとコーラの缶にビールを入れ、運転しながら酒を飲む「飲みながら運転」をするほどに。記憶をなくすまで飲酒し、飲酒運転で帰宅する日々。「朝起きると車に傷がないか、朝刊でひき逃げの記事がないか確認していた」と振り返る。幸い大事故は起こさなかったが「単に運が良かっただけ。今は酒をやめ、家族や社会に償いをする日々を送っている」と語った。
 當真さんはアルコール依存症で飲酒運転を繰り返す父の背中を見て育った。「飲酒運転でパワーショベルを運転したり、制限速度をはるかに超えたスピードで母の車を追い回したりすることもあった」と話す。母親が懸命に働いても父の酒代に消えた。父親が暴れて警察官が自宅に来た時「逮捕してください」と訴えた。現在父は断酒会に入り、酒を断って11年がたつ。「父は変わっていった。周囲にアルコール依存症の人がいたら勇気を持って助けてほしい」と力を込めた。
 大会には関係者のほか、各市町村の職員や社会人、高校生ら約1400人(主催者発表)が参加。飲酒運転根絶に向けた県内各団体の取り組みなどが紹介された。