企業の採用活動、より早期化 「解禁日」が形骸化 求人おきなわ調べ 沖縄


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 求人おきなわ(那覇市、山城正文社長)は17日、2024年3月に卒業を予定する新規学卒者(大学・専門学校卒者)の採用活動について県内企業を対象とした調査の結果を発表した。解禁日より前に採用活動を開始する企業が前年度よりも増え、早期化傾向がみられた。

 政府が経済団体などに示すルールでは、採用情報などを発信する広報活動は卒業前々年の3月1日、選考活動は卒業前年の6月1日、内定出しは同10月1日を解禁日としているが、形骸化しているのが実情だ。

 広報活動を3月より前に開始した企業は、24年卒は77.4%と23年卒を19.6ポイント上回った。選考活動を6月より前に始めた企業も87.8%と同16.8ポイント増加した。

 24年卒の内定(内々定)出しのピークは卒業前年の6月が38.8%となった。採用活動終了予定時期は6月が24.5%で最多となった一方、次点は「未定」の22.4%となった。

 採用予定人数の見通しは、「前年並み」(58%)が最も多く、次いで4年ぶりに「増加」(26%)が2位となり、採用意欲の高まりがうかがえた。

 採用活動の見通しは「採用しにくくなる」が46%と、過去5年で最も高い割合となった。コロナ禍からの経済回復に伴い求人が増加し、競争が激しくなってくることなどが理由に上がった。

 新卒者を対象としたインターンシップは「実施する(する予定)」が88%と最多を占め、23年卒より19.1ポイント増加した。

 調査は22年11月14日~12月13日にかけてウェブアンケートを実施し、50社から回答を得た。
 (與那覇智早)