石垣島での人工透析「年内にも危機的状況に」支援求める意見書と決議を可決 市議会


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石垣市役所

 【石垣】石垣市議会(我喜屋隆次議長)は17日の臨時会で八重山圏域の人工透析医療体制への支援を求める意見書と決議を全会一致で可決した。同圏域では医師や看護師らの人手不足により人工透析医療が逼迫(ひっぱく)し、年内にも新たな患者が受け入れられなくなる危機的な状況に陥っている。意見書と決議の宛先は県知事と県病院事業局長。

 意見書と決議で、八重山郡内の人工透析患者について、2000年以前は100人以下だった患者が高齢化などの影響で年々、増加しており直近では170人を超えていると現状を説明した。その上で「深刻な人手不足で(今後)1~2年でパンク状態となり、年内にも新たな患者は(沖縄)本島で医療を受けることになる」と指摘した。

 また、現状で人工透析が必要な郡内出身者の帰省時や旅行者については受け入れを断っている状況にあることも挙げ、医療スタッフ増員について「県内医療機関を網羅しての対応が必要」として早急な支援を求めた。
 (佐野真慈)