祖母が織り、祖父が染めた「琉球絣」二十歳の孫が着用 おばからつなぐ 沖縄・南風原


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38年前に祖父母がおばの成人式のために作った琉球絣を身に着け「はたちの集い」に参加した中村怜さん=8日、南風原町立中央公民館

 【南風原】南風原町立中央公民館で8日に開催された「はたちの集い」に参加した中村怜(れん)さん(20)は、38年前におばの幸喜松江さん(57)が成人式の時に着た琉球絣(がすり)を身に着けた。中村さんは「南風原町出身者として、二十歳の式典で琉球絣を着られて、とても誇りに思う」と力強く語った。

 琉球絣は、中村さんの祖父で、県伝統工芸士会連合会の会長を務めた故・中村孫吉さんと祖母のトヨさん(87)が幸喜さんのために制作した。トヨさんが機を織り、孫吉さんが染めた。

 中村さんは「最初はスーツで参加しようと思っていたが、祖父母が作った絣を着て、今はとてもうれしい。デザインもとても鮮やかでかわいい」と絶賛した。幸喜さんは「めいが着てくれたので、自分も母も喜んだ。亡くなった父も天国で喜んでいるはず」と語った。

 中村さんは現在、県内の専門学校に通っている。「将来の夢は介護福祉士の資格を取得し、介護の仕事に携わりたい」と前を見詰めた。
 (金城実倫)