美里中2年の桃原さん 初の絵画展 那覇であすから 独特の世界観表現


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
桃原蓮さんの「お気に入りだ」という展示予定の作品

 鉛筆1本から生み出す立体的なロボットや戦車、そして空想のメカ。「現実にないものをあるように見せるように描いている」と語るのは、美里中2年の桃原蓮さん(13)=沖縄市。想像力を膨らませ、独自の世界観を絵で表現する。21、22日に自身初となる絵画展「タンクミュージアム」を沖縄県那覇市首里のギャラリーACUOT(アクト)で開催する。約6年前から描き始めた作品約50点を展示する。入場無料。

 桃原さんの作品は、複雑な機械のパーツなどを細かく書き込み、鉛筆の線の密度で濃淡をつけ、目立たせたいところは筆圧を強くする。ほとんど色を使わないのも特徴だ。

鉛筆を使って絵を描く桃原蓮さん=19日、那覇市内

発達障がいの診断を受けた桃原さん。幼少期からゴジラやロボットの映画が好きだった。保育園児のころから粘土でそれらを作るようになる。絵を描くようになったのは小学校3年から。1人で描いていてもいつのまにか絵を見に人が集まっていたこともある。

粘土で立体を作っていたこともあり、車やロボットなどの立体的な表現が得意だ。下書きなしで描き上げる。「頭の中で立体的にできている」と描けない部分も頭の中では完成している。「自分の想像通りにならない時は嫌になる」と話すが、毎日描き続けている。

作品を手に来場を呼びかける桃原蓮さん

 尊敬する人は宮崎駿監督。作品に大きく影響を受けており、大のジブリ好きだ。2022年11月には東京にある三鷹の森ジブリ美術館に行った。丸2日間かけて回り「自分も同じようなことをしてみたい」と展示会のレイアウトの着想を得た。

 今回の展示会場のレイアウトも自身で考えた。「自宅をイメージした」と普段絵を描く場所を再現する。自身の絵を壁に敷き詰め、アトリエの一部を表現するという。桃原さんは「ジブリで働きたい」との夢を胸に、日々技術を磨いている。
(金盛文香)