カルパッチョ、ニョッキ…北農生にプロが技を直伝 内装会社から飲食業へ転身の逸話も披露 沖縄・名護


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北部農林高校の生徒にイタリア料理を指導する諸喜田秀之さん(右から2人目)=13日午前、名護市宇茂佐の同校

 【名護】北部農林高校は13日、プロのイタリア料理人を招いた講習会を開いた。講師は沖縄県名護市宇茂佐の森のイタリア料理店「osteria sucugia(オステリア スクジャ)」のオーナー諸喜田秀之さん(51)。食品科学科2年の生徒約15人がカルパッチョなどに挑戦した。

 同校では地域の人と共に学校を盛り上げる「生き生き活性化支援事業」に取り組んでおり、地域住民を招いた料理講習会を調理科学の授業の一環で実施している。

 名護出身の諸喜田さんは元々料理が好きだったというが、高校時代は北部工業高校(現・名護商工高校)で建築を学ぶなど、料理とは別の道を歩んでいた。上京後にインテリアデザインを学び、内装関係の会社に勤めていたが「何かが違う」と考え退職。飲食店で働き、独立を決意した。15年ほど前に地元・名護で店を開業させた。コロナ禍前は小中学校や福祉施設、一般人向けの料理教室を開き、調理法とともに、自身の経験などを話していたという。

 生徒らは諸喜田さんや同校の教員から手ほどきを受け、カルパッチョやニョッキ、トマトソース、ティラミスを調理した。石川美葉さん(17)は「ニョッキを作るのが少し難しかったが、いい体験ができた」と笑顔を見せた。

 眞栄田空斗さん(16)は「普段は菓子などを作ることが多いので、イタリアンに興味が出てきた」と話した。

 諸喜田さんは「コロナ禍でなかなか料理講習ができなかった。久しぶりに料理をする人と対話し、作る人たち、それぞれの個性を見ることができて良かった」と語る。自身の経験などを踏まえ「一つの夢や目標に進むのも良いが、職種が変わる場合もある。いろんなところにアンテナを張ってほしい」と話した。

(長嶺晃太朗)