琉球競馬ンマハラシーは「平和の象徴」 戦闘前提のスピードでなはく「美しさ」競う 沖縄


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パネルディスカッションに登壇した髙田勝氏(左から4人目)、梅崎晴光氏(同3人目)ら=21日、沖縄市の沖縄こどもの国

 【沖縄】沖縄市の沖縄こどもの国で22日に開催される第18回琉球競馬ンマハラシーを前に、イベントに関連するオンラインシンポジウムが21日、同園のユーチューブチャンネルでライブ配信された。今帰仁アグーの髙田勝代表と、『消えた琉球競馬』著者でスポーツニッポン競馬担当の梅崎晴光記者が講演した。パネル討議には2氏のほか、同園相談役の比嘉源和氏ら在来馬などに関係する3氏が参加した。

 髙田氏は「琉球弧の在来家畜」と題して講演。品種改良される前に地域の文化や環境に適応して飼育されたのが在来家畜だとし、沖縄は儀礼などのため現在も多く残っていると指摘した。「在来家畜は地域の民俗性や宗教性に沿って残ってきた。その背景まで考えてほしい」と呼びかけた。

 梅崎氏はスピードなどを競う本土の競馬が戦闘を前提にしたのに対し、足並みの美しさを競う琉球競馬は非武装で平和的であると説明。右と左の前後脚を同時に繰り出す「側対歩(そくたいほ)」で冊封使節団を歓待した歴史を紹介し、「本土の技術をチャンプルーさせ、時代環境に適応させたのが琉球らしい」と話した。

 琉球競馬(ンマハラシー)は300年以上前の琉球王朝時代から行われた。戦前、軍馬に適した大型馬を生産するため在来馬が激減。一時途絶えたが、2013年に沖縄こどもの国が約70年ぶりに再現した。

(古川峻)