本紙「復帰50年特別号」に特別賞 新聞労連ジャーナリズム大賞


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琉球新報の2022年5月15日付「復帰50年特別号」の紙面

 日本新聞労働組合連合(石川昌義中央執行委員長)は平和・民主主義の確立や言論の自由に貢献した記事などを表彰する第27回新聞労連ジャーナリズム大賞の選考結果を発表した。琉球新報の「沖縄の日本復帰50年特別号」を特別賞に選んだ。

 特別号は昨年の5月15日の朝刊を特別号のラッピング紙面とし、50年前の5月15日付と同じ「変わらぬ基地 続く苦悩」と見出しを付け、レイアウトも同様とした。50年前の紙面の「いま 祖国に帰る」の見出しを「いま 日本に問う」と取った。

 大賞は毎日新聞の「旧統一教会の政界工作など教祖発言録に関する一連の報道」と、信濃毎日新聞の「土の声を 『国策民営』リニアの現場から」だった。

 選考委は「50年前の紙面と全く同じ『変わらぬ基地 続く苦悩』との横見出しが沖縄県民の憤りやむなしさを物語る」と評価した。

 国道58号をかすめるように嘉手納基地に着陸する米軍機の半世紀前と現在の写真を配置したレイアウトについても「斬新な構成」と評した。 

 同賞には今回、22点の応募があった。

 優秀賞は沖縄タイムスの「沖縄の日本復帰50年を巡る報道」と、共同通信の「水平社宣言100年・部落差別問題を取り上げた一連の報道」に決定。

 人権を守り、報道への信頼増進に寄与した記事を表彰する第17回疋田桂一郎賞は、毎日新聞東京本社経済部の高橋祐貴記者による「『幽霊消防団員』や搾取される団員報酬の実態を巡る一連の報道」、沖縄タイムス編集局社会部の矢野悠希記者による「那覇市内の認可外保育所の乳児死亡事故を巡る一連の報道」の2件に決まった。