おしゃれする権利、誰にでも 障がい者らがモデル務めファッションショー 沖縄・北中城


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 【北中城】社会福祉法人楓葉の会(島粒希理事長)は知的障がいや発達障がいのある利用者とその関係者がモデルとなり、空手演武やエイサーを披露するパフォーマンス・ファッションショー「制約と誓約」を12月24日、北中城村のイオンモール沖縄ライカムで開催した。

障がいのある人たちやその関係者がモデルとなり開かれたファッションショー=12月24日、北中城村のイオンモール沖縄ライカム

 2年前の3月に1人の男性利用者の「ドレスを着てみたい」との希望をかなえたイベントの第2弾。「障がい者と呼ばれる社会的マイノリティーが社会的なルールや価値観(制約)にあらがい、自分のアイデンティティー(誓約)をもって生きる」をテーマに企画した。

ヨーカンのドレスとかりゆしウエアを着てランウェイを歩く利用者

 今回は沖縄の紅型の技法や柄を取り入れた服飾ブランド「YOKANG(ヨーカン)」のデザイナー・山内カンナさんのドレス10点と、かりゆしウエア10点が提供され、ヘアメークとドレスアップした利用者らがプロモデルのような自信に満ちた表情でランウェイ(花道)を歩いた。

 衣装を提供した山内さんは「体形や個性に合わせて手直しした。誰でもおしゃれをする権利がある」と述べた。空手演武と歩き方指導、演出を担当したウオーキングインストラクターの屋良充祐紀(みゆき)さんは「毎週レッスンするたびに、みんなが積極的になり気持ちが一つになった。空手部も立ち上げ指導してきたので、今後も関わっていきたい」と述べた。

 総合プロデューサーの島理事長は「利用者たちは社会的なルールや価値観を打ち破るパフォーマンスを見せてくれた。見学した方々に利用者たちの可能性と心の中に誓った誓約を伝えたかった」と思いを述べた。
 (喜納高宏通信員)