【記者解説】教員不足、他学級「振り分け」は氷山の一角か 子どもにしわ寄せ 沖縄


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 担任不在で代替教員が確保できず、当該学級の児童を他のクラスに振り分ける統廃合が、那覇市内の小学1年生のクラスであった。市教育委員会の指導で、元の学級編成に戻ることになったが、担任は不在のままだ。教員不足のしわ寄せは、子どもたちに来ている。

 教員の業務過多は以前から指摘されていたにも関わらず、行政の業務改善や働き方改革の遅れが、病休者の増加につながり教員不足を招いている。他の教員が不足分の授業などを補い、さらに業務負担となっている。多忙な中、目の前の子どもたちを取りこぼさないよう腐心しているのは教員たちだ。

 取材の中で、教員不足による学級統廃合の事例は、他にもあることがみえてきた。今回の那覇市内の小学校の事例は、氷山の一角に過ぎない可能性がある。実態把握が急がれる。

 県教育委員会は24日、教職員のメンタルヘルス対策と働き方改革の強化・推進を目的とした「働き方改革推進課」を次年度新設すると明らかにした。約10年ぶりの課の改編に期待の声が聞こえる。

 現場教員はすでに限界を超えている。スピード感のある改革でしか、教員を救うことはできない。
 (嘉数陽)