米軍、グアム先住民埋葬地に記念碑 市民「空虚なジェスチャー」と批判 在沖海兵隊の移転先


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25日、米領グアムの新基地「キャンプ・ブラズ」で開かれた、チャモロ系先住民の埋葬地の記念碑をお披露目する式典

 【グアム共同】米軍は在沖海兵隊のうち約4千人の移転先となる米領グアムの新基地「キャンプ・ブラズ」で25日、施設建設中に見つかったチャモロ系先住民の埋葬地の記念碑をお披露目する式典を行った。歴史文化財を保護する姿勢を示し、基地建設に反対するチャモロ系などの一部住民の反感に配慮した形。日本は記念碑の整備を財政支援した。

 式典に参加した吉川ゆうみ外務政務官は、沖縄海兵隊の移転の必要性を強調した上で「グアムの歴史や遺産、環境を尊重して円滑に手続きを進めることがとても大切だ」と述べた。

 一方、チャモロ系の市民活動家モナイカ・フローレスさんは共同通信に、基地建設は埋葬地への「冒涜(ぼうとく)」であり、記念碑設置は「空虚なジェスチャー」だと述べた。

 米軍で働く考古学者ロニー・ロジャース氏によると、基地建設に当たり、遺骨の破片などを見落とさないよう調査し、26カ所で発見。うち7カ所が集中する埋葬地に記念碑が建てられ、横には近くで発掘された石臼が並べられた。チャモロ特有の装飾された歯も確認した。

 26日には、同基地の開所式を行う。日本政府は沖縄の負担軽減に向けた海兵隊移転に伴い、日米合意に沿って、埋葬地の記念碑だけでなく、基地の司令部や集合住宅などの建設も財政支援している。沖縄の海兵隊の受け入れは2024年に始まる見通しだ。