児童に三線指導15年、81歳の西村さん表彰 沖縄市のコザ小で放課後教室「指導が生きがい」


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毎週の三線練習を楽しみにしている児童と当初から指導している西村正吉さん(後列左端)=20日、沖縄市立コザ小学校

 【沖縄】子どもは地域の宝―。沖縄市立コザ小学校(永川幸徳校長)の放課後三線教室が15年目を迎え、活動の場を広げて地域の話題になっている。その指導を当初からボランティアで関わっているのが野村流音楽協会師範、西村正吉さん(81)。公民館講座の三線教室での指導など長年の活動も併せて評価され、市教育委員会から本年度の地域ボランティア功労者として表彰された。

 「何よりも子どもたちの笑顔が大好き」と表情を緩める。学校や父母らから「三線を指導してほしい」と依頼されたときはびっくりしたが、二つ返事で引き受けた。

 三線教室は市の放課後子ども総合プラン推進事業の一環。現在、27人が参加。毎週金曜日、低学年と高学年に分けてそれぞれ1時間ずつ指導を受けている。

 「民謡工工四」の読み方から、歌詞の意味などを説明、個人のレベルに合わせて指導し、「頑張り帳」を作り、弾けるようになった歌についてはスタンプを押して意欲を後押しする気配りも。練習の成果は自治会の敬老会や毎年開催される市生涯学習フェスティバル、野村流の90年記念公演など各種イベントに次々出演、披露している。

 1年生の頃から参加している5年生の新田保尚さん、近藤真主(まなせ)さんは同協会主催の琉楽奨励賞のコンテストで銅賞を受賞、今は銀賞を目指して特訓中という。また2年生の畠田栞愛(かんな)さんは「三線はおばあちゃんから譲ってもらった。先生の指導は優しく、大好きな民謡をたくさん覚えたい。家でも練習している」と目を輝かせた。

 人数が増えたため現在は民謡師範の比嘉義男さん(74)、民謡教師の石原譲さん(47)が協力している。西村さんは「子どもと自治会での指導が生きがい。うちなーぐちにも興味を持ってくれたらなおさらうれしい」と口調を弾ませた。

 永川校長は「西村さんらには感謝の一言だ。三線の修理など地域の協力、父母有志の支援にも感謝している」と話した。

 センター自治会の三線教室は毎週月曜と木曜に開催、会員を随時募集している。電話098(938)5907(同自治会)。

(岸本健通信員)