尖閣周辺で海洋調査 石垣市長同行「有効活用へ」


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調査船出港前に、取材に応じる石垣市の中山義隆市長=29日、石垣市

 尖閣諸島の周辺海域を調査する船が29日、石垣島を出港した。昨年1月の初調査に続き、中山義隆石垣市長が同行。30日にかけて水質や漂着ごみの状況を調べるほか、ドローンを使って島の外観を確認する。同日夜、帰港する見込み。

 中山氏は出港前に取材に応じ「尖閣周辺海域の有効活用に向け、基礎データを集めたい」と話した。中国公船による妨害行為などへの懸念に関しては「尖閣は市の行政区域内にあり、調査することに何ら問題はない」と強調した。

 市によると、調査は環境保全などの研究が目的で、東海大に委託。昨年1月31日の調査では海水を採取し、データ分析した。29日は東海大の山田吉彦教授(海洋政策)や石垣市議らも乗船した。

 市は2020年10月、尖閣諸島の住所地の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更。これに伴い、21年9月、魚釣島など5島への行政標柱設置のために政府に上陸を申請したが、不許可となった。