「やんばるの森で採れた山菜」で活性化 料理を考案 名護市でセミナー 国頭・与那


社会
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国頭村与那区周辺で採れた山菜を使い、「かっぽう山吹」の新里清光料理長が考案した料理

 【北部】やんばるの山菜の魅力を広め地域活性化に生かそうと、国頭村与那区のユナムンダクマ協議会(大城靖会長)は1月23日、名護市の「かっぽう山吹」で「やんばる山菜プロジェクト 第1回魅力発信セミナー」を開催した。北部を中心に飲食、ホテル、観光、行政の関係者ら14人が山菜を使った料理を味わい、可能性を語り合った。

 大城会長は以前から、区内で営むカフェで地元の山菜を使った料理を提供し、本部町のホテルにも食材として山菜を卸している。人口減少への危機感から「世界自然遺産の森の山菜を、地域資源として生かさない手はない」と、山菜が身近に生える北部全域に取り組みを広めるプロジェクトを企画した。徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」のような展開も念頭に、雇用の創出を目指す。

 セミナーでは与那区周辺で採れた山菜を使い、山吹の新里清光料理長が考案した料理を提供した。オオタニワタリやワラビの茎とエビの春巻き、オオバキの葉で包んだまぜご飯、タラの芽と湯葉のあえ物などが並んだ。

山菜を使った料理を試食するセミナー参加者ら=1月23日、名護市の「かっぽう山吹」

 国頭村商工観光課参与の仲栄真智さんは「『自然遺産の森で採れた山菜』と言うと分かりやすく、ストーリー性を持って売り込める。村民は見慣れているが食材にしない山菜も多い。食感を味わいつつ種類を考えるのも面白く、エンターテインメント性を感じた」と語った。ビジネスにする上では、むやみに採るのではなく供給体制の整備が課題だと指摘した。

 調理した新里さんは「ありふれた素材も切り口を変えれば商品になる。毒性がある植物もあり、専門知識を学ぶ場も必要だ」と述べた。

 供給体制を整えるため、与那区ではオオタニワタリやタラの芽などを区内で生育する準備も進めている。大城会長は「各地でセミナーを開催し、山菜を活用した地域活性化の取り組みをやんばる全域に広めたい」と力を込めた。
 (岩切美穂)