「児相は子のケアに注力を」有志の会 第三者評価制度導入を期待 里親解除問題


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 里親委託解除事案について、外部有識者による調査委員会が最終的な報告書を発表したことを受け、里親有志の会メンバーの儀保由美子さん(70)=大宜味村=は児童の将来を案じ、「時計の針は戻せない。児童相談所はこの子のケアに力を入れてほしい」と望んだ。

 有志の会は、事案の検証の必要性を県に求めるなどしてきた。儀保さんは今回の調査報告の中で、里親の声の広聴制度の創設や、里親の権利保障について提言されたことを評価。児相が良いケースワークをした事例を多く知っているとした上で「児相の権限はとても強いが、組織として間違うこともある。再発防止のためにも第三者評価制度をぜひ実現してほしい」と述べた。

 子どもシェルターでスタッフとして働いており、15~20歳の子どもたちと日々接する中で、幼少期の愛着形成の大切さを日々感じているという儀保さん。「この子は生後間もなく実親と離れ、5歳の時にも喪失体験をした。児相には愛着を育む大切さを理解してほしい」と訴えた。
 (前森智香子)