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鹿児島県西之表市の八板俊輔市長は2日、共同通信のインタビューに応じ、馬毛島での自衛隊基地建設に賛成できないとの考えを示した。基地反対を掲げて再選された2021年の市長選に触れ「選挙の時の思いは変わっていない」と述べた。一方、1月に始まった工事の中止は求めず、政府と協議を続けるとした。
馬毛島基地に関し「基地はない方が良いし、そういう市民も多い」と強調。建設を進める政府に「国は急いでおり、焦りを感じる。市民の不安解消の担保がないままに進んでいる」とした。
島内の市有地を国に売却するなど「黙認」と受け止められている点に「判断材料を引き出す努力をしている段階であり、不本意だ」と反論した。
在日米軍の再編に伴い地方自治体に支給される米軍再編交付金を巡っては、政府との協議で増額を求めたことを明らかにした。防衛省が公告した基地建設着工の前提となる環境影響評価(アセスメント)の評価書に関しては「地元の気持ちや考えとかみ合っていない部分もある」と疑問視。具体的には、景観への配慮不足などを挙げた。
国会などで馬毛島問題が取り上げられていないと指摘し「非常に重大なことが進行している。議論してほしい」と訴えた。
政府は、島に滑走路や駐機施設などを整備し、現在硫黄島(東京都)で行われている米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)を移転する計画を描く。八板氏は22年2月に防衛省との対話姿勢に転じて以降、賛否の明言を避けている。
(共同通信)