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「0次予防」の取り組み 企業・行政が環境づくり<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本は超高齢社会(高齢者割合21%以上)に突入しています。今後も高齢化が進行する状況において、さまざまな分野で超高齢社会の対策が行われています。地域包括ケアシステムや行政と連携した介護福祉・生活支援サービス等もその一つです。今回は病気予防として注目されている「0次予防」の取り組みついてご紹介します。

 従来、予防には病気にかからないための「一次予防」、早期発見・早期治療するための「二次予防」、そして再発・悪化防止や早期社会復帰を目指す「三次予防」がありますが、近年ではこれらに加え「0次予防」への取り組みが注目されています。

 「0次予防」とは「健康づくりの行動を助けるための環境づくり」を意味し、本人が努力をしなくても知らず知らずのうちに健康を保(たも)てるような環境設計ができないかという考え方です。たとえば企業がオフィス内の喫煙所を撤去したり、行政が地域にウオーキングロードを設置したりするなどが分かりやすい事例です。たばこを吸える環境をなくすことで禁煙を促したり、身近で手軽なウオーキングを生活に取り入れたりすることで健康づくりを助ける環境をつくっています。

 私の職場がある宜野湾市では、事業者が他業種や行政、医療機関と連携しての勉強会の開催や、地域で取り組む「0次予防」についての議論を行うなど今後のさらなる取り組みが期待されています。私は家族・職場単位で「0次予防」の環境づくりを進めています。皆さんも病気予防について関心を持ち、できることから取り組んでみましょう!

(沖縄銀行宜野湾・我如古支店支店長 仲本大介)