PFASの調査地点増へ 普天間周辺で沖縄県、汚染源絞り込み


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米軍普天間飛行場周辺でのボーリング調査結果が報告された県の有機フッ素化合物(PFAS)汚染源に係る専門家会議=3日、那覇市銘苅の市IT創造館

 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が米軍基地周辺の河川、地下水から高い値で検出されている問題で、県環境部環境保全課は3日、汚染源を絞り込むために普天間飛行場周辺で行ったボーリング調査を、2022年度の4地点から23年度は増やすことを明らかにした。調査の場所、地点数はこれまでの調査結果を踏まえて今後検討する。

 同課は22年9~10月、飛行場下の三つの地下水脈を踏まえ、上流域の神山と宜野湾の計2地点、下流域の真志喜と大山の計2地点でボーリング調査を実施し地質を分析。同時に観測井戸を設置し、定期的に地下水の水位変動を監視し、PFAS濃度も調査していた。

 結果はこの日、那覇市銘苅の市IT創造館で開かれた、汚染源調査に係る専門家会議(座長・平田健正和歌山大名誉教授)の22年度第3回会議で報告された。環境保全課によると、委員は汚染源を絞り込むためにはデータが十分ではないと指摘し、調査地点を増やす必要があるという意見が多く上がったという。

 会議ではそのほか、16年度から継続している基地周辺の河川、地下水の夏季・冬季調査結果から、飛行場の上流域より下流域の湧水などのPFAS濃度が高い状況が続いていることも報告された。

 環境保全課は23年4月下旬から5月上旬に報告書を公表する予定。 (安里周悟)