オスプレイのクラッチ不具合問題、米軍はシミュレーターに反映し対処訓練 原因は未特定のまま 


この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 貞治
普天間飛行場に駐機する米軍のMV22オスプレイ=6日、沖縄県宜野湾市

 【東京】垂直離着陸輸送機V22オスプレイでクラッチ関連の不具合が起きやすい問題で、米軍が不具合が生じる現象をシミュレーター(模擬飛行装置)に反映させ、トラブル時の対処訓練をしていることが分かった。浜田靖一防衛相が7日午前の閣議後会見で明らかにした。

 米軍は一定の飛行時間に達したオスプレイを対象に、クラッチ関連の部品を交換するまでの間、飛行を制限するとしている。一方、特有の不具合が起こる根本的な原因は特定できていない。

 会見で浜田氏は、部品を交換しても、原因が特定されるまで飛行を停止させる必要があるのではないかとの質問に対して、「飛行停止などの措置を米側に求めることは考えていない」と述べた。飛行停止を求めない根拠として米軍がシミュレーター訓練を実施していることなどを挙げ、「(その現象が発生しても)深刻なトラブルを起こすことなく、安全に運用できる手順が確立をされている」などと説明した。

 米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイが部品交換のための飛行制限措置の対象になっているかについて、防衛省は現時点で明らかにしていない。その上で浜田氏は「あくまで予防的な措置で、オスプレイの機体自体の安全性に問題はないということに変わりない」との見解を示した。(明真南斗)