沖縄市琉歌大賞に東山さん(中城村出身) 平和願い母と合作 題材「越来グスク」


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 【沖縄】第2回沖縄市琉歌大賞(沖縄市文化協会主催、琉球新報社後援)の選考会がこのほど開かれ、中城村出身で神奈川県小田原市在住の東山ひかりさん(35)の作品が大賞に選ばれた。沖縄市の越来グスクをテーマに公募した。東山さんの作品は「越来(ごえく)ウスデーク 踊(うどぅ)い花(ばな)咲(さ)かち 美童(みやらび)の拝(うが)み 甘世(あまゆ)願(にが)てぃ」と詠んだ。

 沖縄市琉歌大賞は、沖縄文化の象徴としての琉歌を広め、つないでいくのが目的。今回は23人から46点の作品が寄せられた。名桜大学大学院の波照間永吉客員教授、波上琉歌会の前原武光会長、琉球新報中部支社の宮城光男支社長が審査した。

 東山さんは中城村南上原出身。20歳で県外に出た。母の静子さん(78)は踊りが好きで、平和への思い入れが強く、踊りながら平和を願う母をイメージして詠んだ。母への聞き取りから、女性たちが華やかに踊る平和な「甘世」を願い、神への祈りである越来ウスデークを重ね合わせた。大賞受賞に「母と合作で作った。親孝行になった」と受賞を喜んだ。

大賞の東山ひかりさん

 3月発行予定の沖縄市文化協会文芸誌「文化の窓」に応募作品と選考評を掲載する。そのほかの入賞者は以下の通り。(敬称略)

 【奨励賞】玉那覇功雄(西原町)▽玉城宇漂(沖縄市)

 【審査員特別賞】知念初美(那覇市)▽津嘉山寛喜(沖縄市)▽池原次治(同)

 【特別賞】安藤うらか(恩納村)
 (島袋良太)